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地主さん向けコラム

43条但し書き道路の通し方 ~地主が知っておくべき建築と通行の“突破口”~

都市部の古い住宅地や路地状敷地に多いのが「接道義務を満たさない土地」――。
こうした土地に悩む地主は少なくありません。

「道路に面してないから建てられない?」
「売却したいのに“再建築不可”と断られた」
「43条の但し書きってどうやって使うの?」

実はこの“43条但し書き道路”というキーワード、地主にとって活路となる制度なのです。
本記事では、地主向けに43条但し書き道路の考え方、実務上の通し方、注意点までを3部構成で詳しく解説します。

第1部:43条但し書き道路とは?地主のための制度理解

◆建築基準法の原則:接道義務

建築基準法第43条は、「建物は、原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」と定めています。
これを「接道義務」と言い、これを満たさない土地では原則として建築ができません。

この「原則」の例外として設けられているのが、「但し書き」の制度です。

◆43条但し書き道路の意味と制度趣旨

43条の後段には次のような文言があります。

「...ただし、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得た場合はこの限りでない。」

つまり、一定の条件を満たせば、たとえ法定道路に接していない土地でも建築が認められる可能性があるのです。これが「但し書き道路」制度の本質です。

地主にとっては「道がない=再建築不可」ではなく、「道がなくても建築可能になる制度がある」という理解が鍵となります。

◆どんな地主が活用できるのか?

以下のようなケースに該当する地主は、43条但し書きによって土地の再活用が可能になるかもしれません。

・袋地に家が建っており、建て替えを希望

・相続した土地が古い路地の奥にある

・現況通路はあるが、建築基準法上の道路ではない

・売却時に「再建築不可」と言われて困っている

この制度を知らないまま放置している地主も多いため、知っているかどうかが土地活用の明暗を分けます。

第2部:地主が実行できる「通し方」実務ステップ

◆ステップ①:現地調査と行政との事前協議

まずは「その通路が本当に使えるか」を確認します。

・現地幅員(1.8m以上あるか)

・舗装状況、他人地との境界、使用実態

・隣地所有者との関係性

・接道先の道路が法定道路か否か

これらを確認し、役所の建築指導課に**「43条但し書きで建築許可の可能性があるか」**を事前相談する必要があります。

地主が土地家屋調査士や建築士と一緒に進めるとスムーズです。

◆ステップ②:建築審査会の同意を得る

実際に但し書き制度を使うには、「建築審査会」の同意を得なければなりません。
これは形式的なプロセスではなく、次のような書類と調査が必要です。

・建築計画概要書

・通路使用実績の証明(写真・証言・書類)

・地域の安全面(避難経路・火災時対応)の配慮

・必要に応じて通路舗装・消火器設置などの負担

地主は、「安全性を確保する配慮」を前提に許可を得る姿勢が求められます。

◆ステップ③:承諾書と測量図の準備

実際の申請では、隣地を通る通路の場合、その土地の所有者からの通行承諾書が必要となることもあります。

・私道であれば「通行許可」だけでなく「掘削同意」も必要な場合あり

・古い住宅地では権利関係が曖昧なため、登記簿と現況のずれに注意

・測量図・公図・地積図を照らし合わせる作業が重要

・地主自身が対応するのは難しいため、専門家(調査士・行政書士)と連携した体制構築がカギです。

第3部:地主にとっての経済的メリットと注意点

◆メリット①:土地の評価と売却価格が跳ね上がる

再建築不可→再建築可能になれば、土地の評価額・売却可能性が飛躍的にアップします。

・通常、再建築不可の土地は市場価格が3~5割安い

・但し書き適用で建築許可が下りれば「普通の宅地」として売れる

・相続税評価も「建築可能地」として高めになる

地主にとって、これは「固定資産」から「流動資産」への変換に近い意味を持ちます。

◆メリット②:相続時の分割・共有名義リスクの軽減

再建築不可のままでは、相続時に

・誰も使いたがらない

・分割困難

・評価ゼロだが管理義務あり

という状況に陥ります。

但し書き活用で「使える土地」にすれば、相続トラブルの火種を減らせるというのも地主にとって大きなメリットです。

◆注意点:申請に時間と費用がかかる

但し書き制度の利用には、次のようなコストがかかる点にも注意しましょう。

・測量・登記費用(30~100万円)

・承諾書取得・行政折衝(数か月)

・建築士・調査士への報酬

・私道舗装や消火施設の設置

地主にとっては投資の一種ですが、最終的に土地が売れる・建て替えられる価値を考えると回収可能なコストといえます。
43条但し書き制度は、ただの例外規定ではありません。
地主が自らの土地を「活用できるものに変える」ための知識と行動の武器です。

・再建築不可を「建築可能」に変える法的ルート

・測量・承諾・行政折衝で道は開ける

・投資する価値のある地主の“再評価プロジェクト”

「建てられない」と言われた土地ほど、地主の知恵と努力で蘇る可能性があります。
あなたの土地にも、通すべき“道”があるかもしれません。
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