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地主さん向けコラム


地主さん向けコラム

ドッグランとして活用する場合の注意点 〜地主が“愛犬家の楽園”を提供する前に知るべきこと〜

「空き地を持て余しているけど、何に使えばいいのかわからない」
「建物を建てるほどの予算はないけれど、放置して税金だけ払うのはもったいない」
そんな悩みを抱える地主が近年注目しているのが、「ドッグラン」としての土地活用です。

都市部を中心に増えるペット需要。特に犬の飼育数は横ばい〜微増を続けており、「自由に走り回れる場所が少ない」という課題から、ドッグランは飼い主にとって非常にありがたい存在になっています。

実際、駅から少し離れた土地でも、駐車場を併設したドッグランは集客力があり、イベントなどを通じて地域の交流拠点にもなり得る土地活用としてのポテンシャルを秘めています。

しかし、ドッグランはただフェンスを立てて芝を張れば成り立つ施設ではありません。
衛生・騒音・保険・運営管理の負担など、地主として見過ごせない注意点が多々あるのです。

この記事では、地主の立場から「ドッグランとして土地を活用する際に押さえておくべきポイント」を、導入・3部構成・まとめの形式で丁寧に解説していきます。

【第1部】ドッグランとして活用する際の基本と地主にとっての魅力

■ ドッグランはどういう施設か?

ドッグランとは、犬がノーリードで自由に走り回れる専用スペースのことです。都市部では公園などでも原則リードを外せないため、一定の囲いとルールを設けて飼い主が安全に愛犬を遊ばせられる場所として人気を集めています。

◆主なドッグランの種類

無料開放型:行政やNPOが運営、収益化なし(地主には不向き)

月額会員制型:安定した収入を見込める

時間貸し型:貸しスペースとして運用、休日中心に稼働

複合型:カフェ、トリミング、ペットグッズ販売などと併設

⇒ 地主が考えるべきは、「収益化できる形にすること」。無料で開放してしまうと、維持管理やトラブル対応が地主負担になりやすくリスクが高いです。

■ 地主にとってのドッグランのメリット

① 初期投資が比較的少なくて済む
フェンス・芝・水道・照明といった設備は必要ですが、建物を建てるよりは圧倒的に安価。初期費用200〜500万円程度で始められるケースも。

② 利用者が継続して通うリピーター型ビジネス
犬の運動は毎日の習慣。気に入ってもらえれば安定的な集客が期待できるのが強み。

③ 地主の土地が“地域交流の場”になる
ドッグランには飼い主同士のコミュニケーションも生まれ、地域貢献型の活用としての評価も得やすい。

④ 住宅地や駅近でなくてもニーズがある
逆に静かで広さが確保できる立地の方が好まれる傾向もあり、他の土地活用が難しいエリアでも勝負できる。

【第2部】地主が見落としやすい運営上のリスクとトラブル

■ 騒音と近隣対策:クレーム回避の準備は必須

ドッグランで頻繁に起きる問題が、「吠え声がうるさい」「車の出入りが多い」といった近隣住民との摩擦です。

【対策例】

・営業時間の制限(早朝・深夜はNG)

・防音性のあるフェンスや植栽による遮音

・来場者へのマナー周知(しつけが不十分な犬の入場制限)

・駐車場の整備と導線設計(違法駐車防止)

⇒ 地主としては、「土地を貸しているだけだから関係ない」では済まされず、地域からの信頼が問われます。

■ 衛生管理とトイレ問題:放置すればイメージダウン

犬の排せつ物や抜け毛、よだれなど、ドッグランでは定期的な清掃が欠かせません。これを怠ると利用者からの評判が下がり、近隣からの苦情にもつながります。

【必要な対応】

・水洗式の洗い場や排せつ物処理ステーションの設置

・週に1回以上の清掃(雨天後は特に重要)

・「利用規約」に基づくペナルティ制度の導入

⇒ 地主が自主管理する場合は覚悟を持って。外部委託も検討すべきポイントです。

■ 保険と事故対応:万が一への備えは必須

ドッグランで最も怖いのは、犬同士のケンカや脱走、飼い主のケガです。こうしたトラブルに備え、地主は運営者または土地所有者としてのリスクを理解し、保険に加入する必要があります。

【主な保険】

・施設賠償責任保険

・利用者向けの損害保険案内(任意加入)

また、「事故時の連絡フロー」や「禁止事項の掲示」など、明確なルール設定がトラブル防止のカギになります。

【第3部】地主がドッグランを成功させるための戦略

■ ステップ1:場所と広さを見極める

・最低でも100〜300㎡程度の広さが理想(中型犬向け)。
・水道・電気の引き込みが可能かどうかも、設備費用に大きく影響します。

【立地のポイント】

・公園や住宅地に近い場所は高評価

・駅近よりも、駐車場付き・郊外型の方が好まれる傾向もあり

■ ステップ2:運営体制をどうするか?

地主自身が運営するか、ペット関連事業者に貸すかで方向性が大きく変わります。

①自主管理
メリット:利益を最大化できる
デメリット:管理・清掃・クレーム対応が負担に

②委託運営
メリット:プロに任せて安心
デメリット:委託料や利益分配が発生

➂事業者に貸す
メリット:安定収益でノーリスク
デメリット:月額収入は相場より低め

⇒ 地主の性格や土地の立地に応じて、最も持続可能な方法を選ぶことが重要です。

■ ステップ3:収益モデルをシミュレーションする

モデルケース:自主管理型・150坪の土地でドッグランを運営

・月額利用料 会員制:月5,000円 × 50人 = 25万円
・年間収益 約300万円
・初期投資 約350万円(整備・フェンス・水道等)
・年間維持費 約50万円(清掃・水道・広告)
・投資回収 約2年で回収可能

もちろん、これは理想的なケースですが、収益性と地域需要がマッチすれば小さな土地でも十分ペイする可能性があることが分かります。
ドッグランは、単なる収益施設ではなく、「地域とつながる拠点」としての価値があります。
もちろん、犬の鳴き声、衛生、事故などリスクもあり、地主に求められる責任は決して軽くはありません。

しかし、正しい準備と戦略があれば、

・空き地を有効に使える

・少ない投資で安定収入を得られる

・地域住民や飼い主との信頼を築ける

という、地主にとって非常にバランスの良い土地活用になる可能性があります。

「空き地がある」「地域の役に立ちたい」「でも大きなリスクは避けたい」
そんな地主こそ、“愛犬家のための小さな楽園”を提供する存在になってみてはいかがでしょうか。
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