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地主さん向けコラム


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コンテナ活用は合法か?設置前に確認すべきこと

近年、「手軽な土地活用」として注目を集めているコンテナ活用ビジネス。
使われていない空き地にコンテナを置いて、トランクルームや簡易店舗として貸し出すスタイルは、特に都市部や郊外の地主にとって魅力的な選択肢に映ります。

建築コストが低い

アパートのような居住設備が不要

入居者トラブルも少ない

こうしたイメージから、「コンテナ=簡単にできる副収入源」と考える地主も少なくありません。

しかし現実には、設置に関する法規制・条例・地目変更の問題など、事前に確認すべき“法的ハードル”が多数存在します。

この記事では、実際にトラブルになりかねないポイントを、地主の立場から徹底解説します。
「コンテナを置いてから問題になる」ことを防ぐため、ぜひ最後までお読みください。

【第1部】地主が知らずに始めがちな「グレーゾーン」

■ よくある誤解:「コンテナは建物じゃないから自由に置ける」
多くの地主が最初に抱く誤解は、「コンテナはプレハブみたいなものだから、確認申請は不要」というものです。
たしかに、ただの「物置」として使うのであれば、確認申請が不要なケースもあります。しかし、実際には以下の条件にあてはまると建築物扱いになります。

基礎(コンクリート・鉄骨など)に固定されている

人が立ち入り、利用することが前提となっている

電気・水道等のインフラが設置されている

つまり、トランクルームやレンタル倉庫として貸し出すコンテナは、建築物と見なされることが多いのです。

■ 建築確認申請が必要になるケースとは?
地主がコンテナを置く際に、次のようなケースでは建築確認申請が必要となります:

敷地面積が10㎡以上

都市計画区域または準都市計画区域に該当

接道義務を満たしていない

高さ制限や防火・準防火地域に該当

これらを怠ると、後に自治体から「是正命令」や「撤去命令」が出ることも。

⇒ **地主が最初にやるべきことは「用途地域の確認」と「行政への事前相談」**です。

【第2部】設置後にトラブル多発?地主が直面した実例

■ 事例1:セットバック未対応で設置を断念した地主
世田谷区のある地主が、所有する20坪の土地にコンテナ型トランクルームを設置しようと計画。
施工業者と打ち合わせを進めたものの、実際に建築確認申請を出す段階で「前面道路が4m未満」であることが判明。
結果、セットバックの義務を果たさないと設置できないとわかり、計画は頓挫。

➡ この地主は、不動産業者にも相談せず、自身で進めてしまったことで不要なコストと時間を失いました。

■ 事例2:近隣から「景観条例違反」でクレーム
神奈川県のある地主は、駅近くの土地にコンテナを4基設置。
当初は好調な稼働を維持していたものの、近隣住民から「景観が悪くなった」と苦情が殺到。
調査の結果、その地域は景観重点地区に指定されており、条例に抵触していたため、看板・色・配置の大幅な修正を余儀なくされました。

➡ 結果、収益は出ていたにもかかわらず、改修費と信頼低下で収支は赤字化。

■ 事例3:火災・盗難時の保険未加入による損失
ある地主が郊外に設置したコンテナが、内部で漏電による火災を起こしました。
テナントが保管していたキャンプ用品やバイクが全焼し、損害賠償請求へと発展。
地主は火災保険にも施設賠償責任保険にも加入しておらず、自腹での補償を余儀なくされました。

⇒ 収益を上げる以前に、リスク管理が不十分な地主はトラブルで台無しになるのが現実で

【第3部】合法的にコンテナ活用を始めるための地主の手順

■ ステップ①:用途地域と条例の確認
まず最初に確認すべきは、その土地が属する「用途地域」。
用途地域によっては、そもそもコンテナの設置が認められない場合があります。

第一種低層住居専用地域 → 基本NG

商業地域・準工業地域 → 比較的柔軟

また、都市によっては「コンテナ活用に関する独自条例」があるため、自治体への確認が不可欠です。

■ ステップ②:建築士・行政書士と連携して確認申請
コンテナが「建築物」に該当する可能性がある場合、地主は必ず専門家と連携して進めるべきです。

建築士:確認申請図面の作成、構造計算

行政書士:設置許可・事業届出の代理申請

この段階をプロに任せずに進める地主が最も失敗します。

■ ステップ③:保険・管理体制の整備
火災・盗難・破損などに備え、最低でも以下の保険は検討しましょう:

動産総合保険(利用者向け)

コンテナ所有者向け火災保険

施設賠償責任保険

また、定期的な巡回・清掃・カギ管理・監視カメラ設置など、利用者が安心できる管理体制を整えることで、長期的な信頼と収益性が確保できます。

⇒ 地主の立場で考えるべきは「合法的で長期的に収益を生む仕組みをつくる」ことです。
コンテナ活用は、一見すると「アパートより簡単」「狭小地でもできる」など、地主にとって魅力的な土地活用手段です。
しかし実際には、**法律・条例・管理・保険といった数々の準備が求められる“ビジネス”**です。

地主が確認すべき法律は、建築基準法、都市計画法、消防法、景観条例…多岐にわたります。

地主が管理すべき事項は、契約、保守、苦情対応、清掃、防犯…実に細かいです。

地主が守るべきのは、「地域住民との信頼関係」「法的なルール」「安全な運営体制」です。

コンテナビジネスを成功させている地主は、例外なく専門家と連携しながら段取りを踏んでいるのです。

「安易にコンテナを置いて後悔しないように」
これから始める地主さんには、慎重な準備こそが最大の成功要因であるとお伝えしておきます。
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