【地主必見】借地人が亡くなったら土地は返してもらえる?借地権の相続と名義変更料の注意点
「長年土地を貸していた借地人が亡くなった。これを機会に土地を返してもらえるのだろうか?」
「借地人の子どもが借地権を相続するらしいけれど、地主の承諾は必要なの?」
「借地人が亡くなった場合、名義変更料を請求できるのだろうか?」
このような疑問を持つ地主さんは少なくありません。
東京都の世田谷区、杉並区、練馬区、神奈川県の横浜市や川崎市、埼玉県の川越市や所沢市、千葉県の市川市や船橋市など、古くからの住宅地では、親や祖父母の代から続く借地契約が数多く存在します。
借地人が高齢になり、亡くなったことをきっかけに、地主さんが今後の土地の取り扱いについて考えるケースもあります。
しかし、借地人が亡くなったからといって、当然に借地契約が終了するわけではありません。
今回は、借地人が亡くなった場合の借地権の取り扱い、地主の承諾や名義変更料の問題、土地を返してもらうための選択肢について解説します。
1. 借地人が亡くなっても借地契約は原則として終了しない
まず知っておきたいのは、借地人が亡くなっても、借地権は原則として相続人に承継されるということです。
借地権は財産的な価値を持つ権利であり、相続の対象になります。
例えば、東京都大田区で40年以上土地を貸していた借地人が亡くなり、その子どもが借地権を相続するケースを考えてみましょう。
地主さんとしては、借地人本人が亡くなったのだから、土地を返してもらえるのではないかと考えるかもしれません。
しかし、借地人の死亡だけを理由として、土地の明渡しを求めることは原則としてできません。
相続人が借地権を承継した場合、従来の借地契約が引き継がれることになります。
また、相続人がその土地に住んでいない場合でも、借地権が当然に消滅するわけではありません。
神奈川県横浜市鶴見区や川崎市中原区、埼玉県さいたま市浦和区、千葉県松戸市などでも、借地人が亡くなった後に、別の場所に住む子どもが借地権を相続するケースが考えられます。
ここで注意したいのが、借地権の相続と第三者への譲渡の違いです。
通常、借地権を第三者に譲渡する場合には、借地権の種類や契約内容によって地主の承諾が必要になります。
一方、相続による借地権の承継については、原則として地主の承諾は必要ありません。
そのため、地主さんが相続人への承継を一方的に拒否することはできません。
ただし、借地人の死亡後に誰が借地権を承継したのかわからない場合には、相続人に確認し、今後の地代の支払い方法や連絡先などを整理しておくことが大切です。
2. 借地人の相続で地主は名義変更料を請求できる?
借地人が亡くなった際、地主さんからよく寄せられる質問の一つが、名義変更料についてです。
例えば、東京都板橋区で土地を貸していた借地人が亡くなり、その長男が借地権を相続したとします。
地主さんが「借地人の名義が変わるのだから、名義変更料を支払ってほしい」と考えることもあるでしょう。
しかし、相続による借地権の承継は、通常の借地権譲渡とは異なります。
そのため、借地権を相続したという理由だけで、地主が当然に名義変更料や承諾料を請求できるわけではありません。
一般的な相続では、地主の承諾を必要としないため、承諾の対価としての名義変更料も原則として発生しません。
ただし、契約書に特別な定めがある場合には、その条項の内容や有効性について個別に確認する必要があります。
また、借地人が亡くなった後、相続人が借地権を第三者に売却する場合には、話が変わってきます。
例えば、埼玉県川口市で借地権を相続した子どもが、自分では土地を利用する予定がないため、借地権付き建物を第三者に売却したいと考えたとします。
この場合、通常の賃借権であれば、借地権の譲渡について地主の承諾が必要になることがあります。
承諾に際しては、譲渡承諾料について協議するケースもあります。
ただし、承諾料の金額が法律で一律に定められているわけではありません。
借地権価格や契約内容、地域の慣行などを踏まえて協議することになります。
また、地主が承諾しない場合でも、借地人側が裁判所に借地権譲渡の許可を申し立てられる制度があります。
神奈川県藤沢市や鎌倉市、千葉県柏市や市川市などで古い借地契約を引き継いでいる地主さんも、相続と譲渡を混同しないことが重要です。
3. 借地人の死亡をきっかけに土地を返してもらう方法はある?
借地人が亡くなった際、地主さんとしては、これを機会に貸している土地を整理したいと考えることもあるでしょう。
特に、長年貸している土地の地代が低かったり、将来的に子どもへ相続させる予定があったりする場合には、土地の返還を希望するケースもあります。
ただし、借地人の死亡だけを理由として、土地を一方的に返還させることは原則としてできません。
では、どのような方法が考えられるのでしょうか。
まず一つ目は、借地人の相続人と話し合い、合意によって借地契約を終了する方法です。
例えば、東京都中野区で借地権を相続した子どもが遠方に住んでおり、今後その土地を利用する予定がない場合を考えてみましょう。
相続人が借地権付き建物の維持管理を負担に感じているのであれば、地主との間で借地権の買い取りや契約終了について協議できる可能性があります。
ただし、借地権には財産的な価値があるため、無償で土地を返してもらえるとは限りません。
二つ目は、地主が借地権を買い取る方法です。
例えば、神奈川県横浜市港北区や川崎市高津区などで、地主が将来的に土地を自己利用したい場合、借地人の相続人から借地権を買い取ることで、土地の権利関係を一本化する方法があります。
もっとも、借地権の買い取りには資金が必要となるため、土地の利用価値や将来の売却可能性などを踏まえた判断が重要です。
三つ目は、底地と借地権を一体として第三者へ売却する方法です。
例えば、埼玉県所沢市や新座市、千葉県船橋市や習志野市などで、地主も借地人の相続人も土地を保有し続ける意思がない場合には、双方が協力して土地と建物を売却する方法も考えられます。
底地と借地権を別々に売却する場合と比較して、権利関係を整理したうえで売却することにより、買主の選択肢が広がる可能性があります。
ただし、売却代金の配分や建物の取り扱いなどについて、事前の合意が必要です。
また、借地人の相続人が複数いる場合には、誰が借地権を承継したのか、誰が交渉の当事者になるのかを確認する必要があります。
借地人が亡くなったからといって、急いで返還を求めるのではなく、まずは相続人の意向を確認し、双方にとって納得できる解決方法を検討することが大切です。
借地人が亡くなった場合でも、借地権は原則として相続人に承継され、土地賃貸借契約は継続します。
そのため、地主さんが一方的に土地の返還を求めたり、相続を理由として当然に名義変更料を請求したりすることはできません。
一方で、借地人の相続人が土地を利用する予定がない場合などには、借地権の買い取りや底地との同時売却など、権利関係を整理する機会になることもあります。
特に東京・神奈川・埼玉・千葉で長年貸している底地を所有している地主さんは、借地人の相続をきっかけに、今後の土地の管理方針を検討してみてはいかがでしょうか。
地主不動産相続相談室を運営する不動産相続アーキテクツ株式会社では、地主さんが抱える借地・底地の問題、借地人との権利調整、底地の売却、相続対策などについてご相談を承っています。
「借地人が亡くなったので、今後の契約関係を整理したい」
「借地人の相続人から借地権を買い取ってほしいと言われている」
「将来の相続に備えて、底地を売却するべきか相談したい」
このようなお悩みがありましたら、地主不動産相続相談室までお気軽にご相談ください。