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机上の数字に惑わされない!2026年・現地調査(ゲンテック)で見極める「5つの現場重要項目」

販売図面(マイソク)やレントロールの条件が良好に見えても、それだけで購入や取得の最終判断を下すことはできません。

不動産は、一つとして同じものが存在しない個別性の高い資産です。公図や図面の上では完璧に見える物件であっても、実際に現地へ足を運ぶと、将来の収益性や資産価値を損なう重大な課題が隠れているケースは少なくありません。

長期にわたり一族の資産を健全に守り育てるためには、現地調査(ゲンテック)による綿密な事実確認が不可欠です。プロの実務家が現地で必ず確認している「5つの現場検証ポイント」を解説します。

【第1部】境界と権利の確認:隣地との「境界標」と「越境」の有無

現地に到着して最初に行うべきは、建物ではなく「土地の境目(境界)」の確認です。境界の曖昧さは、将来の売却時や相続時における近隣紛争の主因となります。

・境界標(コンクリート杭・金属プレート)の現認

敷地のすべての角に境界標が存在するかを目視で確認します。地中への埋没や工事による亡失がないかを確かめ、境界確定図(実測図)との整合性を照合します。

・越境物の有無(空中・地中)

隣家の屋根や雨樋、植栽の枝がこちらの敷地に越入していないか(空中越境)、またはこちらの塀やブロックが相手側に越境していないかを確認します。さらに見落としがちなのが「地中埋設管(上下水道やガス管)」です。隣地の配管が敷地内を通過していないか、管路図と現地の枡(ます)の位置を突き合わせます。

境界や越境に関する覚書が締結されていない土地は、後に多額の是正費用や法的手続きを要するため、契約前の確認が必須となります。

【第2部】建物の健全性:構造クラックと雨漏り・傾きの痕跡

建物の外観が美装されていても、構造部分の劣化を見逃してはいけません。大規模な構造是正には数千万円単位の費用を要することがあります。

・基礎の「構造クラック」の確認

建物の基礎コンクリートに、幅0.5ミリ以上、あるいは深さのある亀裂(構造クラック)がないかを確認します。特に斜めや横方向に走るクラックは、地盤沈下や基礎の強度不足を示唆している可能性があります。

・雨漏り・漏水の兆候

共用廊下の天井、開放廊下の軒裏、室内であればサッシ周りや天井のクロスに雨ジミや変色がないかを点検します。雨漏りは建物の構造躯体を急速に劣化させる最大の要因です。

・床の傾斜(レベラー測定)

目視では気付きにくい数ミリの傾きも、水平器(スマートフォンの計測アプリでも可)を用いて居室や廊下の床を測定します。一定以上の傾斜がある場合、地盤の不同沈下や構造の歪みが疑われます。

【第3部】住環境と地域性:現地調査チェックマトリクス

物件そのものだけでなく、敷地を取り巻く周辺環境と入居者の利用実態も、現場でしか把握できない重要情報です。

◆ 現地調査における重点確認マトリクス

①敷地・境界
・境界標、越境物、高低差
・境界確定図と現況の合致。隣地との擁壁の安全性と所有区分の確認。

②建物躯体
・基礎クラック、外壁シーリング、屋上防水
・表層の美しさではなく、雨水の侵入を防ぐ防水層と構造の健全性。

➂共用部分
・ゴミ置き場、自転車置き場、ポスト
・放置ゴミや整理状態から、既存入居者の質および管理体制の良否を判断。

➃インフラ
・上下水道の口径、雨水排水、私道掘削
・水道管の引き込み口径(将来の建て替えに対応できるか)の確認。

⑤周辺環境
・日照・通風、隣地の利用状況、嫌悪施設
・昼夜での騒音・交通量の変化、近隣住民の住まい方の確認。

特に重要なのが「ゴミ置き場」と「共用ポスト」の状況です。チラシが溢れ、分別されていないゴミが放置されている物件は、管理が行き届いておらず、入居者間のマナーにも課題を抱えている可能性が高いと判断できます。

現地調査は一度で終わらせず、「平日の昼」と「休日の夜」など時間帯を変えて2度訪問することで、街の本来の静けさや防犯性、周辺住民の生活動線を正確に把握できます。
どれほど精緻な事業計画書を作ったとしても、現地の一次情報に勝る判断材料はありません。

・敷地境界と越境関係を現地で必ず目視確認し、将来の紛争リスクを未然に防ぐ。

・基礎クラックや雨漏りの兆候など、修繕コストに直結する構造の健全性を精査する。

・共用部の管理状態や時間帯による周辺環境の変化を、自身の五感で確認する。

確かな価値を持つ不動産を選定し、問題のある条件を早期に発見して契約条件に反映させること。
丁寧な現場確認の積み重ねこそが、大切な資産を次の世代へ健全な形で引き継ぐための揺るぎない土台となります。
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