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家賃収入が増えても手残りが残らない?2026年にあえて「法人化」すべき税金と社会保険料のリアル

「家賃収入が増えて確定申告のランクが上がったら、翌年の住民税と国民健康保険料の請求書を見て目玉が飛び出そうになった」
これは、個人名義で順調に不動産規模を拡大してきた地主さんが、必ずぶち当たる「お約束の壁」です。

日本の税制は、個人に対しては非常に厳しい目を向けますが、「会社(法人)」に対しては驚くほど多くの抜け道と優遇措置を用意しています。 汗水たらして空室対策やコストカットを頑張るくらいなら、経営の「器(うつわ)」を個人から法人へ切り替える方が、一瞬で、かつ合法的に年間数百万円単位の現金を余分に手元に残すことができます。知っておくべき「個人と法人の境界線」に迫ります。

【第1部】「最高税率55%」の個人 vs 「約20%〜30%」の法人。埋まらない税率の溝

日本の所得税は、稼げば稼ぐほど税率が段階的に上がっていく「累進課税(るいしんかぜい)」を採用しています。

地主さんの場合、地代や家賃収入から経費を引いた「不動産所得」が、個人の他の所得(サラリーマンとしての給与や年金など)と合算されるため、簡単に高税率のレンジに突入します。最高税率は所得税45%+住民税10%の合計55%。つまり、せっせと家賃を上げても、半分以上を国に没収される計算になります。

一方、法人(会社)にかかる「法人税」の構造は全く異なります。

・法人税はほぼ一律: 2026年現在、中小法人の場合、年800万円以下の利益に対しては実効税率が約22%〜24%、それを超える部分でも約33%程度で頭打ちになります。

・税率の「逆転現象」が起きるライン: 課税される所得(利益)が概ね800万円〜900万円を超えたあたりで、個人の税率よりも法人の税率の方が明らかに低くなります。この一線を超えている地主さんが個人名義のままアパート経営を続けることは、毎年、高級外車1台分以上の現金を国に自主返納しているようなものです。

【第2部】所得を家族に分散!「家賃」を「給与」に変える合法的な節税スキーム

個人大家の場合、アパートから生まれた利益はすべて「オーナー個人」のものとなり、そこに高い税率がかかります。配偶者や子供がどれだけ管理や清掃を手伝ってくれても、原則として自由にお金を分けることはできません。

しかし、法人化して不動産を会社で管理(または所有)すると、家賃収入は「会社の売上」になります。そして、会社から家族に対して「役員報酬(給与)」として分配することが可能になります。

・「給与所得控除」を人数分使い倒す: 給与には、国が認めた強力な概算経費である「給与所得控除(無条件で差し引ける控除)」が適用されます。オーナー1人で1,500万円の利益を受け取るよりも、法人からオーナーに700万円、配偶者に500万円、長男に300万円と分散して給与を支払うことで、家族全体の税率を劇的に引き下げ、世帯全体の「手残り現金」を最大化できます。

・将来の相続税対策にも直結: 現金をただ子供に贈与すると贈与税がかかります。しかし、法人の役員として正当な業務(見回りや記帳など)の対価として毎月給与を支払えば、「相続税の対象になる親の資産を増やさず、将来の相続人の手元資金(納税原資)を合法的に増やす」という、一石二鳥の理想的な資産移転が完了します。

【第3部】手残り現金を最大化する「個人 vs 法人」の財務数式

ここで、個人経営のままでいる場合と、法人化(プライベートカンパニー設立)をした場合の、手残り現金の差を数式で可視化してみましょう。地主が最も意識すべきは、表面的な売上ではなく、最終的に家族のポケットに残る「世帯純キャッシュフロー(NCF)」の視点です。

世帯純キャッシュフロー (NCF) = 総家賃収入 - (実際の経営経費 + 家族全員の税金 + 社会保険料)

不動産所得(利益)が年間1,500万円ある地主さん(他の給与所得なし、配偶者と子供1人が専業で手伝い)をベースに、2026年のリアルな実勢数字でシミュレーションします。

◆年間利益1,500万円における個人経営 vs 法人経営の収支比較

パターンA:個人大家のまま(現状維持)
・不動産からの年間利益:1,500万円
・お金の分配方法:すべてオーナー個人の所得(合算)
・適用される主要控除:基礎控除、青色申告特別控除(65万円)など
・家族全員の税金(所得・住民税):約430万円(累進税率が高いため重税)
・社会保険料の負担:国民健康保険・国民年金(上限まで重い)
・世帯全体の純手残り額:約 960万円

パターンB:資産管理法人を設立(3人に分散)
・不動産からの年間利益:1,500万円(法人の売上・経費差引後)
・お金の分配方法:オーナー:700万 / 配偶者:500万 / 子:300万(役員報酬)
・適用される主要控除:3人分の「給与所得控除」がフル適用
・家族全員の税金(所得・住民税):約190万円(所得分散により各人の税率が激減)
・社会保険料の負担:会社で社会保険に加入(労使折半、一部経費化)
・世帯全体の純手残り額:約 1,180万円(★年間+220万円の現金増)

数式とシミュレーションが示す通り、まったく同じアパートから生まれる同じ1,500万円の利益であっても、「法人という器」を通すだけで、家族の手元に残る現金が毎年220万円も増えるのです。10年間続ければ2,200万円の差。金利上昇やインフレによる修繕費高騰に備えるための「筋肉質な内部留保」は、この法人化によって生み出される手残りから作るのが最も賢い選択です。
昭和の時代は、アパートの家賃を個人の通帳で受け取り、のんびりと確定申告をするだけで十分に利益が残りました。しかし、税金や社会保険料の負担が限界まで高まっている2026年において、無策のまま個人で不動産経営を続けることは、ただ国への「お供え物」を作っているようなものです。

これからのインフレ・高金利時代を生き抜く地主の姿は、単なる「大家さん」ではありません。
みずからプライベートカンパニーの「CEO(最高経営責任者)」となり、家族を役員に迎え、税法のルールを味方につけて資産を守る「スマートな事業家」です。
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