【地主の相続対策】固定資産税ばかり高くて地代が安い!赤字の貸宅地を子どもに残しても大丈夫?
「毎年固定資産税を払っているけれど、地代収入が少なくて割に合わない」
「先祖代々の土地だから貸し続けているけれど、子どもたちに相続させてもよいのだろうか?」
「地代を値上げしたいけれど、借地人との関係が悪くなるのが心配」
このようなお悩みを抱えている地主さんは少なくありません。
特に東京都の世田谷区、杉並区、練馬区、神奈川県の横浜市や川崎市、埼玉県の川越市や所沢市、千葉県の市川市や船橋市など、古くからの住宅地では、数十年前に決めた地代を現在まで受け取り続けているケースがあります。
土地の価格や税負担が変化している一方で、地代が長期間据え置かれている場合、地主さんにとって収益性の低い不動産になっている可能性があります。
今回は、固定資産税と地代収入の関係、貸宅地の収益性を確認する方法、相続前に検討しておきたい対策について解説します。
1. 固定資産税が高いのに地代が安い貸宅地は珍しくない
地主さんが所有する土地の中には、長年にわたって同じ借地人に貸している貸宅地があります。
例えば、東京都大田区で昭和40年代から土地を貸しており、現在の地代が月額3万円だったとします。
年間の地代収入は36万円です。
一方で、固定資産税と都市計画税の合計が年間25万円だった場合、税金を差し引いた残額は11万円となります。
さらに、土地の管理費用や借地人との交渉にかかる費用などが発生すれば、実際に手元に残る金額はさらに少なくなります。
もちろん、これは仮定の数字であり、すべての貸宅地が同じ状況というわけではありません。
しかし、古くからの借地契約では、周辺の土地価格や税負担の変化に対して、地代が十分に見直されていないケースもあります。
神奈川県横浜市港北区や川崎市中原区、埼玉県さいたま市浦和区、千葉県市川市など、住宅地としての需要が高い地域でも、土地の資産価値と地代収入が必ずしも比例するわけではありません。
ここで注意したいのが、土地の価値が高いことと、収益性が高いことは別の問題だという点です。
例えば、底地の相続税評価額が数千万円であっても、年間の地代収入が数十万円しかない場合があります。
そのような土地を相続すると、相続人は一定の財産価値を持つ不動産を取得する一方で、継続的な管理や税負担を引き継ぐことになります。
また、相続税の申告が必要な場合には、貸宅地としての評価方法や納税資金についても検討しなければなりません。
そのため、地主さんは土地の評価額だけでなく、毎年どの程度の収入と支出が発生しているのかを把握しておくことが大切です。
2. 地代収入が少ない土地は、まず収支と地代の妥当性を確認する
地代が安いと感じた場合、すぐに値上げを求めるのではなく、まず現在の収支状況を確認することが重要です。
例えば、埼玉県川口市で土地を貸している地主さんが、年間48万円の地代を受け取っているとします。
固定資産税と都市計画税の合計が年間30万円であれば、税負担を差し引いた残額は18万円です。
ただし、この金額がそのまま最終的な利益になるわけではありません。
必要経費や所得税などの負担も考慮する必要があります。
また、借地人から受け取る更新料や承諾料などがある場合には、毎月の地代とは分けて整理しておくとよいでしょう。
次に確認したいのが、現在の地代が適正な水準にあるかどうかです。
借地借家法第11条では、土地に対する税負担の増減、土地価格の変動、経済事情の変化、近隣類似の土地の地代との比較などにより、地代が不相当となった場合の増減額請求について定められています。
ただし、固定資産税が上昇したからといって、必ず希望する金額まで地代を増額できるわけではありません。
例えば、東京都板橋区や足立区で長年地代を据え置いていた場合でも、契約内容や過去の改定経緯、周辺の地代水準などを踏まえて検討する必要があります。
また、神奈川県藤沢市や鎌倉市、千葉県松戸市や柏市などでも、地域によって土地価格や借地契約の事情は異なります。
地代の改定を検討する際には、税負担だけでなく、さまざまな要素を総合的に判断することが大切です。
借地人との関係が良好であれば、まずは現在の税負担や地代の状況を説明し、話し合いによって改定を目指す方法が考えられます。
一方で、借地人との協議がまとまらない場合には、調停や訴訟などの法的手続きが必要になることもあります。
地代の値上げは、地主さんの希望だけで決まるものではなく、法律や契約内容を踏まえて進める必要があります。
3. 収益性の低い底地を子どもに相続させる前に考えたい選択肢
固定資産税などの負担に対して地代収入が少ない土地については、今後も保有し続けるべきかどうかを検討することが重要です。
特に、地主さん自身は長年の付き合いで借地人との関係を維持できていても、子どもたちが同じように管理できるとは限りません。
例えば、東京都世田谷区で複数の底地を所有している地主さんが、子ども3人に土地を相続させようと考えている場合を想定してみましょう。
土地ごとに地代や税負担、借地人との関係が異なるため、単純に土地を分けるだけでは公平な相続にならない可能性があります。
また、底地を兄弟で共有すると、将来的な売却や借地人との交渉について、共有者間で意見がまとまらなくなることもあります。
そのため、相続前に次のような選択肢を検討することが考えられます。
① 地代を見直して収益性を改善する
借地人との協議によって地代を適正な水準に見直し、継続保有を目指す方法です。
ただし、増額が認められるかどうかは個別の事情によります。
② 借地人に底地を売却する
借地人が底地を購入すれば、土地と借地権の権利関係を一本化できる可能性があります。
地主さんにとっては、地代管理や固定資産税などの負担から離れる方法の一つになります。
③ 底地を第三者に売却する
借地人が底地の購入を希望しない場合には、底地を取り扱う不動産会社や投資家などに売却する方法もあります。
ただし、底地は利用や収益に制約があるため、一般的な更地と同じ価格で売却できるとは限りません。
④ 借地権を買い取って土地を整理する
資金面などの条件が整えば、借地人から借地権を買い取り、土地の権利関係を一本化する方法も考えられます。
その後、土地を自己利用したり、第三者へ売却したりする選択肢が広がる可能性があります。
例えば、埼玉県所沢市や新座市、千葉県船橋市や習志野市などで、長年貸している土地を次世代に引き継ぐ予定がある場合には、これらの選択肢を比較検討することが大切です。
また、底地を売却する場合には、譲渡所得税などの税負担も考慮する必要があります。
土地を売却して現金化することが有利なのか、継続保有することが望ましいのかは、土地の評価額、収益性、税負担、相続人の希望などによって異なります。
大切なのは、先祖代々の土地だからという理由だけで保有し続けるのではなく、次の世代にとって負担の少ない承継方法を検討することです。
地主さんが所有する貸宅地は、土地としての資産価値が高くても、必ずしも収益性が高いとは限りません。
特に、長年地代が据え置かれている土地では、固定資産税や都市計画税などの負担が相対的に大きくなっている場合があります。
そのため、東京・神奈川・埼玉・千葉で底地や貸宅地を所有している地主さんは、地代収入と支出を整理し、今後も保有し続けるべきかどうかを検討することが重要です。
地主不動産相続相談室を運営する不動産相続アーキテクツ株式会社では、地主さんが抱える底地・借地の問題、地代に関するお悩み、底地の売却、資産の組み換え、相続対策などについてご相談を承っています。
「固定資産税が高いのに、地代収入が少ない」
「地代を値上げしたいけれど、借地人との交渉が難しい」
「収益性の低い底地を子どもに相続させるべきか悩んでいる」
このようなお悩みがありましたら、地主不動産相続相談室までお気軽にご相談ください。