• TEL:03-6777-3339
  • お問い合わせ

地主さん向け「不動産相続のセカンドオピニオン」

地主相続相談室

運営:不動産相続アーキテクツ

地主さん専門

初回相談無料

  • 03-6777-3339
  • 受付時間9:00~18:00
  • 〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目13-4
    天翔オフィス池袋西口ビル305
お問い合わせ
地主さん向けコラム


地主さん向けコラム

既存アパートを法人へ移転せよ!「建物だけ売却」の裏ワザと税務署に睨まれない価格設定の鉄則

「個人名義のアパートを、新しく作ったプライベートカンパニーの名義に変えたい」
建物所有型法人への移行を決意した地主さんが、最初にぶち当たるのが「いくらで法人に売ればいいのか?」という価格設定の壁です。

相手は身内(自分が経営する会社)ですから、いくらでも金額をコントロールできそうに思えますが、国税庁はこうした「同族会社間の取引」を信じられないほど厳しい目で監視しています。安すぎれば「法人への贈与」とみなされ、高すぎれば「個人への利益供与」として、どちらに転んでも多額の追徴課税が待っています。税務署に一言も文句を言わせない、スマートな移転のセオリーを解き明かします。

【第1部】地主の黄金パターン:「土地は個人、建物だけ法人」

まず大前提として、先祖代々の土地まで丸ごと法人に売却してはいけません。土地の売買には莫大な「登録免許税」や「不動産取得税」がかかるため、移転コストだけで大赤字になります。目指すべきは、「土地は個人のまま貸し出し、建物だけを法人に売却する」というスタイルです。

しかし、普通に個人と法人の間で土地を貸し借りすると、税務署から「法人に『借地権(土地をタダで使う権利)』がタダで移転した」とみなされ、法人が巨額の税金を課される恐怖のトラップ(借地権の認定課税)が存在します。

・「無償返還の届出書」という特効薬
このトラップを無効化するために、地主個人と法人の連名で「土地の無償返還に関する届出書」を、売却後すぐに税務署へ提出します。これは「将来、会社が解散する時は、土地を更地にしてタダで親(個人)に返します」という約束の書類です。これを一枚出すだけで、借地権の課税を完璧にゼロ(スルー)にできます。

【第2部】売却価格はいくらが正解?「未償却残高(簿価)」の鉄則

では、肝心の「建物の売却価格」はいくらに設定すべきでしょうか。
2026年現在の税務実務において、最も安全で、かつ合理的な基準は「直近の確定申告書に載っている『未償却残高(帳簿価額=簿価)』」です。

建物の売却価格 = 現在の建物の帳簿価額(簿価)

・なぜ「簿価」で売ると安全なのか
確定申告で毎年国に報告している数字のまま法人へスライドさせるため、個人側に「売却益(譲渡益)」が発生しません。つまり、個人にかかる譲渡所得税を「0円」に抑え込んで移転できるのです。

・「時価」との乖離に注意
築年数が古く、簿価が1円近くまで下がっているのに、実際にはまだまだ現役で家賃を稼いでいるような物件の場合、あまりに安い価格(1円など)で法人に売ると、今度は「時価より低すぎる」として法人が得をしたとみなされる(受贈益課税)リスクがあります。その場合は、固定資産税評価額などを参考に、税理士と相談して「お堅いライン」の時価を算出する必要があります。

【第3部】移転コストを上回る「減価償却費の復活」という果実

建物だけとはいえ、法人への売却には「不動産取得税」や、名義変更のための「登記費用(登録免許税)」といった初期コストが確実に発生します。それでもなお、2026年に地主がアパートを法人へ移すべきなのはなぜでしょうか。

それは、法人で「建物の減価償却費(げんかしょうきゃくひ)がリセットされ、復活するから」です。個人で長く大家をやっていると、建物の償却期間が終わり、経費が作れなくなって税金が跳ね上がる「デッドクロス」を迎えます。

しかし、法人へ売却(移転)した瞬間、法人が「中古アパートを購入した」扱いになり、以下の数式(簡便法)によって算出された新しい耐用年数で、再び毎年の莫大な経費(減価償却費)を計上できるようになります。

法人の法定耐用年数(残存) = (法定耐用年数 - 経過年数) + 経過年数 × 0.2

木造・築25年(簿価600万円、年間家賃収入600万円)のアパートを法人へ移転させた場合の「投資回収」のリアルを計算してみましょう。

◆既存アパート法人移転のコスト・ベネフィット分析

① 初期移転コスト(持ち出し)
・登録免許税(2%)+ 不動産取得税(4%※軽減有)+ 司法書士報酬など
・約 35万円(一回限りのコスト)

② 復活する経費(法人の武器)
・法人での中古耐用年数(4年)による「減価償却費」の再計上
・約 150万円 / 年(4年間継続)

③ 個人の税金削減効果
・個人の不動産所得がゼロになり、高い累進税率から解放される
・約 120万円 / 年(削減)

④ 法人での手残り増
・家族への所得分散(役員報酬)の活用による世帯手残りの最大化
・約 90万円 / 年(増加)

このシミュレーションにかかる初期コスト(①)と、得られるリターン(③+④)を天秤にかけるため、以下の「移転コスト回収期間」の数式に当てはめます。

移転コスト回収期間(年) =初期移転コスト総額(①)÷ 年間節税・手残り増加額(③+④)

回収期間 = 35万円 ÷ (120万円 + 90万円) = 0.16年(★約2ヶ月で完全回収)

このように、初期費用として数十万円の税金(①)を一時的に支払ったとしても、わずか数ヶ月でその元本を回収し、2年目以降は年間200万円以上の現金を純増させ続けることが可能になります。
個人から法人へのアパート移転は、まさに地主の財務を劇的に近代化させる「合法的な裏ワザ」です。
ただし、形だけ書類を整えても、実際の家賃の振込口座が個人のままだったり、入居者への名義変更通知を怠っていたりすると、税務署から「実態のないペーパー取引」として否認されます。

・売買契約書をしっかり交わす

・法人の口座から個人の口座へ、実際に売買代金を(分割でも)送金する

・管理会社や入居者との契約名義を法人に切り替える

こうした当たり前の「実態(エビデンス)」を100%揃えておくことこそが、2026年の高金利・インフレ時代に、国税庁の牙を跳ね返して家族の現金を最大化する王道の防衛術なのです。
PAGE TOP